ヒューマンコンピュータインタラクション (HCI)
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HCIグループでは,「人間とコンピュータのインタラクション」に関する複数のプロジェクトを行っており,人々の生活を便利に,また豊かにするための研究に取り組んでいます.現在は,深層学習を用いた屋内位置測位,感情を用いたダイアログシステム,深層学習を用いたダンスパフォーマンス分析,ヘッドマウンテッドディスプレイを用いた作業支援に関する研究を行っています.
マルチモーダルセンサによるダンスパフォーマンス分析
センサデバイスや画像処理技術の発展に伴い,それらを用いたスポーツ解析・学習支援の研究が活発になっています.本研究は社交ダンスに注目し,特に「フィガー」と呼ばれるダンスの技を自動で認識し,学習者に技ごとの詳細な情報提供を目指します.フィガー認識では視覚情報をウェアラブルセンサ で補い,撮影環境に左右されにくい認識手法を提案しています.また機械学習やディープラーニングを活用した高精度な識別手法を開発しています.
感情的返答を伴う適応型対話システム
近年普及しているチャットボットは, メンタルヘルスケアやカウンセリングなどの認知行動療法への応用が可能であり,将来的には人間に寄り添うデジタルパートナーとしての役割が期待されています.本研究では,人間と対話システムが社会的関係を形成するために必要な感情という要素に着目し,ユーザの発話内容に対して適切な感情的表現を含んだ返答を生成する対話システムを実現します.
スマートフォンの慣性センサを用いた移動経路推定
スマートフォンの普及に伴い,スマートフォンに内蔵された慣性センサを活用した研究が盛んに行われています.本研究では,加速度センサとジャイロセンサを用いて人の移動経路を推定するPedestrian Dead Reckoning (PDR) に焦点を当ててきました.2018年からは,ディープラーニングを用いたEnd-to-end学習によって,歩行者の歩き方やスマートフォンの持ち方に影響されない頑健なPDRの研究に取り組んでいます.
MR (複合現実) 技術を用いた作業支援
XR技術 (VRやARなど) の発展により,ゲームや映画などのエンタメのみに留まらず,医療や建設,物流など様々な現場で作業訓練や遠隔支援などに応用されるようになりました.本研究では,物流現場の中でも多くが人の手で行われているピッキング作業に焦点を当て,目的地までのナビゲーションや作業手順などをMRデバイスを用いて視覚的に支援し作業効率の向上を目指しています.